カテゴリー別アーカイブ: 棋書 [読み物系]

トップ棋士頭脳勝負 イメージと読みの将棋観3

トップ棋士頭脳勝負 イメージと読みの将棋観3将棋世界誌で連載している「イメージと読みの将棋観」の単行本です。このコーナーは大好きで、昔はこのために将棋世界を買っているという時期もありました。

内容は一つのテーマ図に6人のトップ棋士が意見を述べるというもの。それぞれ違うタイプの棋士の素の意見や見解が見られる貴重なシリーズですね。

まあでもさすがに長期連載すぎて、飽きてきましたね。毎月5テーマもやっているから、だんだんネタのレベルも落ちてますし、あとはプロ棋士のコメントのレベルも落ちてきている感じがします。

しかしコメントの質は、明らかにテーマ図の質によるところが見受けられ、プロが本気になれるようなテーマ図を用意し続けることが要求されていますが、難しいでしょうねえ。あと全体的に内容量が少ないですね。1テーマ毎にあと1ページずつ増やすくらいは欲しいです。

 

また連載を重ねる間に、何度かプロ棋士が入れ替わっていますが、本書は「渡辺、佐藤、森内、谷川、久保、広瀬」(敬称略)の六名。そして全テーマ図でこの順番で語っています。なぜこの順番なのかがまず疑問ですけど。位の順番でもないですし。

そして人選もベストでは無い感じ。名前だけ見れば相当良いんですが、常に後ろの人ほどトークの質と量が少ないイメージですね。そして若手棋士は総じてだめというか、これだけタイトルホルダーに囲まれると発言力が無いというか、どうしてもコメントの質が落ちる気がしてしまいます。

だからこそタイトル経験のある広瀬七段だったり、現在の豊島、中村といったタイトル挑戦経験者なんでしょうけど、これでだめだとすれば若手からの人選は困難ですね。

 

ぼく的に六人選ぶとすれば、まず羽生、渡辺は必須。佐藤、藤井もはずせないですね。というかこの四人は棋力、個性、本気で語る姿勢、発言力で文句無しのトップ4だと思います。

残るは二名ですが、やはり若手が欲しいのと振り飛車党がもう1人というところで菅井六段かな、、あとは一か八かひふみんですかね。高年齢棋士も欲しいところではあるものの、ほぼ編集でコメント全カットされそうですけどね。

好きな棋士で言えば橋本、山崎コンビも見てみたいけど、2人とも適当そうだからどうかなあ?と、色々と考えていたらやってみたくなりました第1回「イメージと読みの将棋観」に出てもらいたい棋士投票!

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将棋世界Special.vol4「加藤一二三」

将棋世界Special.vol4「加藤一二三」 ~ようこそ! ひふみんワールドへ~ (マイナビムック)ずっと見て見てないフリをして過ごしてきたこの本ですが、ついに手にとってしまいました。「ようこそひふみんワールドへ」と書かれた恐怖の一冊です。

まずは加藤一二三写真集のような出だしで始まります。ラストショットはいくつもの鰻重たちに囲まれるひふみんの笑顔ショット。うーんステキ。

まあ内容に関しては、なんとなく推して知るべしというところ。ただし、表紙で既に「ひふみん」というワードを使っているあたり、作為を感じますね。

さて、いきなりですが本書の最大の見所は「ひふみん戦法占い」です。どういうものかというと、まあよくある2択の選択肢を選んでいって、あなたの性格は?みたいな女子が好きそうなタイプの占いです。

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最強最速の将棋

最強最速の将棋 (マイナビ将棋BOOKS)先日紹介した相掛かり無敵定跡研究に引き続き、これまた最上級表現を含んだパワフルなタイトルの棋書の登場です。

この棋書は2013年夏頃から発売されている「SUPER自戦記シリーズ」のシリーズ4冊目となります。

このシリーズは、若手有力棋士の自戦記集となっており、その特徴は自戦記の間にその時々の局面で派生する有力な指し方の研究が載っていることです。

その研究は分野ごとに分かれており「序盤の研究」「定跡講座」「中盤の急所」「終盤の解明」となっています。そして本書の特徴は、そんなシリーズの中でも断トツの研究内容の多さです。

なんといっても1局の自戦記に対して数ページにわたる序盤の研究が2つに、さらに定跡講座があったりと、本編を忘れる程の充実ぶり。1ページの本編のあとに4ページの序盤の研究とかの場合もあるので、もう本編なんかどうでもよくなることもしばしば。

今までの若手の自戦記集は正直あまり参考になることは無かったですが、このシリーズ、特に本書は相当に勉強になりますね。

まあ自戦記としては6局しかないのですが、定跡書にもあまり載っていないような細かい端歩の変化や仕掛け手順等、いかにも若手精鋭らしい緻密な研究がたっぷり堪能できます。

ちなみに著者の斉藤五段は屋敷九段以来のC級2組を一期抜けした有力株で、そういった意味でも注目です。そのC級2組の戦いとなる自戦記を1局ずつ見ていきましょう。

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永瀬流 負けない将棋

永瀬流 負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS)永瀬五段と言えばやはり、NHK杯での対佐藤九段戦。2回の千日手後に勝利という将棋が印象的ですよね。平然と2回も千日手に持ち込んだのも驚きでしたが、さらにあの佐藤九段にあっさり勝ってしまったのでさらに驚きでした。

内藤九段とか数々の名棋士達が頑張って千日手を打開して負けたりとか、千日手を回避するのがNHK杯の暗黙の了解みたいなところがありました。あの将棋以降、千日手も勝負術の一つとして本当の意味で定着したような気がします。

そんな「負けない将棋」永瀬五段の、自戦解説をしながらの中終盤の解説書が本書の内容となります。トップアマクラスの聞き手との対話形式となっており、ややくだらない感じのトーク内容が微妙に邪魔な作りとなっており、そこは残念な感じでした。

初めて読んだ時は、ふーん、という可も無く不可も無くといった感じの印象しか受けなかったんですが、もう一度読んでみると、なるほど、と納得しながら読み進めることができました。

つまりまあ、内容が軽いトークとは裏腹に、やや難易度が高かったのかな?と思います。あと自分は攻め棋風なので、内容に違和感を受けることが多かったせいかもしれません。そういうわけで内容をご紹介。

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ゴキゲン中飛車で行こう

ゴキゲン中飛車で行こう (マイナビ将棋BOOKS)内容には抜群の安定感を誇る「マイナビ将棋BOOKS」から、久々によくわからない本が出たな、と思ったのが本書「ゴキゲン中飛車で行こう」でした。

まず最初にこの本を見た時、タイトルからして読み物なのかなと思いました。まあ見た感じ定跡書っぽくないですしね。

「誕生から大流行までを創始者が語る」とか帯に書いてあったのもあるんですが、とりあえず内容には期待せずに暇潰し用に買ってみた棋書でした。

が、、久々にやられた一冊でした。これは棋書業界では初と言っていい切り口の読み物、というか自戦記集と言うべきか。いやあ、いい意味でやられましたね。

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新鋭振り飛車実戦集

新鋭振り飛車実戦集 (マイコミ将棋BOOKS)2008年当時のフレッシュな四段陣の自戦記集「新鋭振り飛車実戦集」。本書は、戸辺四段、遠山四段、長岡四段、高崎四段の4名による共著です。それぞれが自戦記を3本ずつ掲載しています。

ポイントはたまに入る「研究」のページ。所々で各自の研究をそこそこ詳しく解説しています。最低でも1ページ、長くて4ページ程、実戦から離れて解説してあります。だいたい序盤の変化についての研究ですね。

戦型的には、やはり最近の将棋らしくゴキゲン中飛車や石田流が多い感じ。というところで、内容に触れていきたいと思います。

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米長の将棋〈1〉居飛車対振飛車(上)

米長の将棋〈1〉居飛車対振飛車(上) (MYCOM将棋文庫DX)将棋からしばらく遠ざかると、メリットとデメリットがあります。

まずメリットは、余計な序盤の知識が抜けること。

これによりシンプルに、そして自分の力で形を作っていきやすいのが良い感じです。あまり遠ざかりすぎると、大事なものまで失うのでご注意を。

デメリットは、やはり勝負勘がなくなってしまうということ。

こればっかりは、実戦でしか身につかないと思うので、しょうがないところでしょうか。仕掛けのタイミングや、攻めか受けかの判断など、激しくにぶりますね。特に中終盤のにぶりっぷりと言ったら、もうどうしようもない感じです。

将棋から遠ざかっていたある日のそんなぼくが、リハビリの第一歩として手にしたのが本書「米長の将棋」です。

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