カテゴリー別アーカイブ: 棋書 [振り飛車]

四間飛車穴熊の急所(第2章 銀冠編)

四間飛車穴熊の急所 (最強将棋21)今回は第2章の解説になります。この章の特徴として、まず最初に昔の四間飛車穴熊の形である「単純穴熊」対銀冠(下図)を見ていきます。

そして何故この単純穴熊が滅んでしまったのかを勉強することにより、いわゆるそこからの修正点を知ることで、より深く現代の四間飛車穴熊を理解していこう、という作りになっています。

過去のことはどうでもいいと思いがちですが、単純穴熊が何故通用しないかは、けっこう大きい問題でして、これを知らないとそもそもこの戦型に対する考え方が分からないと思います。

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はい、こちらが単純穴熊の図でございます。というわけで、内容を見ていきましょう。

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四間飛車穴熊の急所(第1章 急戦編)

四間飛車穴熊の急所 (最強将棋21)広瀬八段著の「四間飛車穴熊の急所」シリーズ第1弾。対急戦と対銀冠のみに絞った定跡書となっています。

四間飛車穴熊のまともな定跡書は、この棋書が初だと思いますが、特に対急戦の内容はかなり充実。なんと7種類もの急戦に対する定跡が載っています。ここまで詳しい内容は他には無いので、四間飛車穴熊党には必読の一冊です。

また対銀冠に関しても、もちろん詳しく解説されていますが、以前紹介した「よくわかる振り飛車穴熊」とあまり内容は変わらないですね。

今回は第1章の急戦編の内容を、わかりやすいピンポイント解説をしていきながら紹介したいと思います。

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穴熊の戦い方

全戦型対応 穴熊の戦い方 (マイナビ将棋BOOKS)前回紹介した「よくわかる振り飛車穴熊」の続編かな?と一瞬思うタイトルですが、なんと全戦型対応というサブタイトルの通り、振り飛車穴熊から居飛車穴熊相振り穴熊になんと相居飛車の穴熊の全4種類を全4章にわたって解説している、カズサトさん渾身の穴熊本でした。

そして前書きに、5級くらいの人でも分かる内容から四段以上向けの難易度まで、分かりやすくレベルの目安が表記してある、と書かれています。

しかしながら、簡単な内容に始まりはするものの、難易度がかなり高くなっていくので、結果的に全体の難易度高いですね。

 

ただし内容はかなり面白く、まず戦型の概要と歴史の解説から始まり(ここは難易度低いです)、序盤の駒組みの注意点や端歩の関係などの解説もありながら、中盤の好形や仕掛け方などの解説、そしてさらに終盤のZを活かした戦い方の解説に突入。

これがなぜかカズサトさんの実戦でカズサトさん本人が正解手順を逃した難解な終盤戦の解説(かなり難易度高いです)となっており、それぞれがページ数の制限があるわりに内容がぎっしり詰まっていて充実の内容です。

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よくわかる振り飛車穴熊

マイコミ将棋BOOKS よくわかる振り飛車穴熊初段を目指す人向けの「よくわかる」シリーズ第二弾として発売された本書は、四間飛車穴熊と三間飛車穴熊、さらに穴熊終盤講座で構成されています。

初段を目指す人向けの第二弾として、穴熊を薦めるのはどうかと思わなくもないですが、振り飛車穴熊を指してみようと思ったらまずこの棋書、と言っても良いような、わかりやすく幅広い内容の棋書でした。

特に持久戦に関しては充実の内容で、もはや初級者向けでは無いですね。三間飛車穴熊編では、▽6四銀から四間に振り直す矢倉流中飛車の形や、まさかの早石田まで解説するといった充実ぶり。そもそも三間飛車穴熊について書かれている棋書自体がレアなので貴重です。

それでは内容を見ていきたいと思います。

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西川流振り飛車 居飛車穴熊破り

マイコミ将棋BOOKS 西川流振り飛車 居飛車穴熊破り近代振り飛車と言えば「先手石田流」と「後手ゴキゲン中飛車」ですが本書はなんと、「先手ノーマル三間飛車」と「後手ノーマル中飛車」の棋書です。

完全に時代に逆行しているようにも見えますが、そうでもないのです。先手ノーマル三間飛車は、これ一本で将棋倶楽部24の高段にいる人も何人かいますし、後手ノーマル中飛車は、プロの矢倉さんが考案した矢倉流中飛車ですので、プロにも通用するレベルの戦法です。

この2つの戦法は、どちらも居飛車穴熊に駆逐されたイメージがあり、実際に指していると8割の相手が居飛車穴熊に組んできます。そして、居飛車穴熊に組むのを防ぐ術がほぼ無いというのも共通しており、基本的には穴熊に組ませて戦うことを想定した棋書となっています。

3章のみ矢倉流中飛車からの相穴熊の解説となっており、特に矢倉流中飛車の解説書はほとんど無いので、そういった意味で貴重な棋書ですね。まずは1章から見ていきたいと思います。

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永瀬流 負けない将棋

永瀬流 負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS)永瀬五段と言えばやはり、NHK杯での対佐藤九段戦。2回の千日手後に勝利という将棋が印象的ですよね。平然と2回も千日手に持ち込んだのも驚きでしたが、さらにあの佐藤九段にあっさり勝ってしまったのでさらに驚きでした。

内藤九段とか数々の名棋士達が頑張って千日手を打開して負けたりとか、千日手を回避するのがNHK杯の暗黙の了解みたいなところがありました。あの将棋以降、千日手も勝負術の一つとして本当の意味で定着したような気がします。

そんな「負けない将棋」永瀬五段の、自戦解説をしながらの中終盤の解説書が本書の内容となります。トップアマクラスの聞き手との対話形式となっており、ややくだらない感じのトーク内容が微妙に邪魔な作りとなっており、そこは残念な感じでした。

初めて読んだ時は、ふーん、という可も無く不可も無くといった感じの印象しか受けなかったんですが、もう一度読んでみると、なるほど、と納得しながら読み進めることができました。

つまりまあ、内容が軽いトークとは裏腹に、やや難易度が高かったのかな?と思います。あと自分は攻め棋風なので、内容に違和感を受けることが多かったせいかもしれません。そういうわけで内容をご紹介。

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ゴキゲン中飛車で行こう

ゴキゲン中飛車で行こう (マイナビ将棋BOOKS)内容には抜群の安定感を誇る「マイナビ将棋BOOKS」から、久々によくわからない本が出たな、と思ったのが本書「ゴキゲン中飛車で行こう」でした。

まず最初にこの本を見た時、タイトルからして読み物なのかなと思いました。まあ見た感じ定跡書っぽくないですしね。

「誕生から大流行までを創始者が語る」とか帯に書いてあったのもあるんですが、とりあえず内容には期待せずに暇潰し用に買ってみた棋書でした。

が、、久々にやられた一冊でした。これは棋書業界では初と言っていい切り口の読み物、というか自戦記集と言うべきか。いやあ、いい意味でやられましたね。

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