詰め将棋作家伊藤果と推理小説作家吉村達也の夢のコラボレーション、という前フリで、ぼくはしばらくずっとこの本は「将棋が関係してくる推理小説」だと思ってました。
だから本屋で見かけても手に取ることは無かったんですが、ある日これが「伊藤氏の華麗な詰め将棋を推理小説作家が解くというか解説する本」であることに気づき、それは面白そうだ!と思って買ったのでした。
で、ワクワクして読み始めたんですが・・・この本の読み方が全くわからんのですよね。詰め将棋はどれも華麗なものばかりで素晴らしいんですが、難しすぎてほとんど解けないんです。
まぁ、解くというよりも作意を解説によって楽しむというような構成になってるんで、とりあえず気にせず読み進めることにしました。
さすが本職の作家の文章、面白く読めることは読めます。華麗な伊藤ワールドを堪能できます。
でも・・・やはり自分で解いてないから感動も薄いわけで。
でも・・・難しすぎて自分では解けないわけで。
父さん・・富良野に帰りたいです、となるわけで。
この本のコンセプトは、「どんな棋力の人にも、難しいけれど華麗な伊藤ワールドの詰め将棋が楽しめる」というような感じのことらしいんですが、でも結局、これって詰め将棋作家とか棋力が高い人が楽しむ本になっているような。
コンセプト自体は面白いので、実に惜しい。
ちなみにぼくは、伊藤氏は「風車の人」というイメージしかありませんでしたが、詰め将棋作家として非常に素晴らしい人なのだと、この本で知ることができました。
伊藤作の詰将棋は本当にビックリするくらい華麗なんですよね。
ただその素晴らしさを、真に感じることのできない自分の棋力の低さが、実に悔しいのです。
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推奨棋力:普通に読んで楽しむなら10級以上。解くなら三段以上。