最強の駒落ち

最強の駒落ち (講談社現代新書)以前、「戦国将棋」という将棋倶楽部24で行われているイベントに参加していたことがあります。詳しい説明は省きますが、このイベントでは、駒落ちの将棋をけっこう指す必要があるんですよね。

そういうわけで、3000円もするゴツい駒落ちの棋書を買ったりしました。「決定版 駒落ち定跡」っていう本なんですが、これがまさに決定版という作りで、ページ数は500近くあり、あらゆる手合いのあらゆる定跡を網羅した本でした。

しかしそれを読みながら、ある疑問がぼくの心に沸きあがってきました。

駒落ちは勉強のために指すのに、なんで定跡をマスターして勝ちにいかねばならんのだ、と。しかし、下手としては定跡を勉強して善戦したいわけで、上手としては下手が勉強してきた定跡にきちんと対応してあげたいわけで、なんともモヤモヤするわけなのです。

結論としては、「最低限の定跡知識を持って指す」のがベストでしょうってことでこの棋書、「最強の駒落ち」の登場!なわけです。

 

この本は定跡書というよりは、先崎さんの語り口調で綴られていて、よく使う手合いの基本定跡を中心に、裏定跡も見せてくれているという内容。

読みやすい上に内容も核心を突いているので、駒落ちを指す機会に出会ったら、ぜひ手にとって欲しい一冊です。

 

この本の最初の「8枚落ち(玉・金・歩だけ)」の章で、こんなことが書かれていました。

駒が玉と金と歩だけだと、下手は金を攻めるしかない。将棋の根本は、玉側の金を攻めることだから、これを自然とマスターできる8枚落ちは素晴らしい!と。

目からウロコでした。そしてこれから初心者に教える時は8枚落ちをミッチリ教えるぞ!と、心に誓ったのでした。

でも、ぼくが8枚落ちの上手を指すと、玉と金2枚で三位一体の攻撃、アテナエクスクラメーションをしてしまうからダメかも・・・。

 

※上手(かみて)とは駒を落として指す格上の人のこと。
※下手(しもて)はその逆。

 

 

 

 

推奨棋力:駒落ちを指す上手下手全ての人(でも10級以上)