将棋「次の一手」読本

将棋「次の一手」読本 (別冊宝島 (1191))忙しくて将棋から遠ざかっていた頃に、ぼくを将棋に引き戻してくれた本がありました。それが本書、将棋「次の一手」読本です。

タイトルだけだと、てっきり次の一手の本かと思いましたが、内容はトップ棋士のインタビューを中心とした、雑誌風読み物でした。

将棋の読み物大好き人間として、ちょっと立ち読みしてすぐに購入を決意しましたが、値段を見てビックリ。

将棋雑誌風としては破格の1155円(税込)ですよ!たかっ!と言いつつ、まぁ買ったわけなんですけどね。

 

内容はと言うと、、
週刊将棋や将棋世界誌上で載っているトップ棋士たちのコメント、本来それらは実際のコメントの一部分の抜粋であることが多いはずです。この本では、そんなコメントの全文を余さず収録、みたいな感じの作りになってます。(わかりにくくてすみません)

というわけで、どこかの誌面で見たようなコメントがチラホラしてました。しかし、一人一人のトップ棋士たちとの密着長文インタビューは面白いですね。その棋士の素の考えとか思いが、強く感じられます。

そしてこの本のメインとなるトップ棋士インタビューは、渡辺竜王・森内名人・佐藤棋聖・先崎八段の4名です。

 

まず最初に印象に残ったのは、森内名人のインタビューでした。羽生さんに対しての森内名人の考えが「あの人は別格ですから」みたいな感じだったんですよね。実績から考えたら、たしかに別格なわけなんですが、なんだか違和感を感じまくりでした。

と同時に、羽生さんのスゴさがヒシヒシと伝わってくるインタビュー内容で、非常に興味深かったです。さらに佐藤棋聖のインタビューでも、やはり同じような考えを持っているコメントがありましたねえ。うーんそんなもんなんだろうか。

 

次に印象深かった、というか最も印象深かったのは、先崎八段のインタビューでした。というかコメントではなく、過去の羽生×先崎戦での感想戦の描写なのですが、

羽生は深い読みをこれでもかと披露し、ひとつの変化たりとも先崎に譲ることはなかった。何も言葉を発せられなくなった先崎が、静かに対局室を後にする。ひとり残った羽生は、厳しい表情で駒を片付けた。

というものです。なんかグサっときましたね。うん。

そんなリアル棋士事情みたいなのが感じられる本です。一度読んでみて欲しいですね。