勝てる将棋格言36

勝てる将棋格言36―プロの実戦に学ぶ妙手 (将棋必勝シリーズ)の格言にそった将棋を、プロの実戦譜を使って紹介、解説している1冊です。1つの格言につき、実戦譜3つ(稀に2つ)で、合計で格言36個・実戦譜100個くらいの内容となってます。

将棋の格言とは、「金底の歩岩よりも堅し」とか「玉の早逃げ八手の得あり」だとかいった感じのものですね。格言を知ってるだけでも、手に迷った時なんかに役立ったりします。

この本で紹介している実戦譜は、格言にそってはいるものの、プロの将棋のハイライトを切り取ったような内容になっているので、ただ読むだけでも面白いです。

1つ1つが短くスッキリしているので、ちょっと気楽に読むのにも最適です。だからつまり、この本は我が家ではトイレにセットしてあり、日々快適なトイレ生活を送っております。

プロの将棋の棋譜並べをしたいけれども、なかなか時間も取れないし面倒くさいし、全てが感動できる棋譜ってわけでもないわけです。でもこの棋書なら、確実に感動手筋をピンポイントで読むことができるのが良い点です。ただ、プロの実戦譜のみなのでそれなりに難易度が高い内容ではありますが。

 

この棋書で一番気になったのが、「三桂あって詰まぬことなし」という格言。本当かはわかりませんが、「計算あって詰まぬことなし」っていうダジャレ的なものからできた格言だと聞いたことがあります。

終盤で、あと1枚桂馬があればなぁと盤面で桂馬を探すことは多々ありますが、3枚あったからと言って詰むなんて局面は滅多にありませんよね。そんな貴重な局面を、プロの実戦譜で堪能できるのです。しかも大山名人の将棋だったので、なおさら良かったですね。

この本は、格言の本というスタイルではあるものの、つい将棋の内容に吸い込まれていき、だんだん格言なんかどうでもよくなってきます。読みながら、「アレ、これってなんの格言だったっけ」と読み直すこともしばしば。

観戦記の短編集と言った方が良いのかもしれませんねえ。

 

 

推奨棋力:5級以上