凌ぎの手筋200

凌ぎの手筋200 (最強将棋レクチャーブックス)最近、将棋の定跡研究に没頭しておりまして、まあそれはそれで楽しいからいいんですが、詰将棋もさぼり続け、どうにも地力が落ちてきたような気がしてきました。

将棋の棋力というのは、急には落ちないものですが、やっぱり日々のトレーニングを怠っているというだけで自信がすり減ってしまうものです。

そんなわけで、詰将棋も飽きてきたので、たまには手筋本で鍛えようかということで選んだのがこの金子タカシ著の凌ぎの手筋200でした。

まあ詰将棋を解くと将棋の読みの力が鍛えられ、つまり地力がつくと思うのですが、手筋本でも同じく読みの力は鍛えることができると思います。というわけで日々の鍛錬再開です!

ちなみにこの本は、もはや伝説となった「凌ぎの手筋186」という棋書の再販版。欲しくてもなかなか手に入れることのできない棋書だったので、再販となったのは嬉しい限りです。

と言いながら買ってから一度も読んでなかったばかりか、間違って最近2冊目を購入。トイレに常に置いておけるという安心感を買いましたね。 しくしく、、というわけで内容を見ていきましょう!

 

第1章 「詰みを逃れる合駒テクニック」

いきなりぼくの嫌いな合駒問題ですね。合駒って色々読まないといけないので、意外と疲れるんですよねえ、、いやいや、訓練と思えば読む方がいいですね。

さっそく6問目でうっかり間違えてしまったので、問題をご紹介。

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一目、▲2七歩▽同香不成▲1八玉で終わりかと思いきや、よくよく見てみると後手の持駒に歩2枚の文字が、、!

いや、もちろんこれにはしっかり気付き、▲2七合駒に対して▽2八歩▲1九玉▽1八歩▲同玉▽2七香成▲1九玉(下図)の時に、取られた合駒が歩であれば打ち歩詰めになるな、と思ってやっぱり▲2七歩が正解と思ってしまったんですよね。

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というかこの局面、よく見るとここから▽2九歩成▲同玉▽2八と、で詰んでますよね。この一度打った歩をまた成り捨てるという手筋が盲点になりやすいんですよね。

実は最近、まさにこの手筋を実戦でくらい、なんと相手も見落として投了してくれたんですけど、なんか複雑な気分でしたね。打ったばかりなだけに思考から抜け落ちやすいですね。

まあ、そんなわけで正解は▲2七銀打!でした。これだと1八にも利きますからね。うーん、修行が足りないですね、、でも大丈夫。この第1章だけで70問もありますからね! しくしく、、

 

第2章 「攻撃を考えた合駒テクニック」

だから合駒問題は苦手なんですけど、さらにレベルアップした合駒問題がきましたね。今度は詰将棋で言うところの双玉問題とでも言うのでしょうか。

相手の玉への攻撃形を考えながら受け駒を考えるという、より実戦的なステップへと進みます。と、思いきや思いのほか簡単かつ16問しかないので10分程度で突破!より実戦に近いので、逆に普段考えることが多いのかもしれません。

と言いながらも解けなかったのが以下の第85問。

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これはなかなか難問です。この問題、3段階に技を繰り出す必要があるのですが、2段階目までは看破したものの、最後の手筋が見えませんでした。

まず最初の第1段階の手筋は、、

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▲6六歩!これは5六の角筋を通す一手で、まあなんとなく突いておいて損はないかなという一手。しかし大事な一手で、最終手が見えていれば、なんとなくなんて言ってはいられないんですが、、

そして次の第2段階の手筋は、、

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▲7七桂!これは角を近づけて受ける手筋ですが、実は逃げ道を作る手筋でもありました。この2手を積み重ねることにより、以下▽7七角成(下図)に対して、最後の手筋が炸裂します!

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一目ここで▲8八金とし、▽8七歩成には▲7七金で勝ちかと思ったんですが、、角を手にしても後手玉は詰まないんですよね。手段が尽きたかに思えたのですが、、

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最後の手筋は▲8九玉! なるほど、これで最初の手筋から全てが一つにつながりましたね。まさに綱渡りの受けでした。こういうのを実戦で指せたら気持ちいいでしょうね。

 

第3章 「必至を逃れるしのぎテクニック」

この章がこの棋書のメインとなるところで全94問もあります。「必至を逃れると」いうタイトルですが、厳密には必至に見える詰めろから逃れる、ですかね。

実戦だったら一目必至かあと思って諦めてしまいそうな局面から、唯一のしのぎを見つけ出すという問題です。そしてまた良問揃いで、スッキリとした実戦形の問題が続きます。

今回は解けはしたのですが、キレイな形でなるほど!という問題をご紹介。

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頭金と▽5七桂から▽6九金の筋の二つを受けなければいけない局面。いかにも相振り飛車の金無双で登場しそうな局面ですよね。

まず頭金を防ぐということで2段目の飛車打ちが第一感です。そして▽5七に利かすのだから▲5八飛!かと思いきや、以下▽5七桂を取れず、▲5九玉に▽6九金で詰んでしまいます。

そして金で受けるのかなあ、やっぱり飛車しかないよなあとしばし考え込んでしまいました。さあ、みんなも考えよう!と言うわけで解答は無しで次章へ、、! フフ

この章はこんな感じのキレイで悩ましい問題が続きます。 あ、解答は最後に。

 

第4章 「攻撃を考えたしのぎテクニック」

またしても双玉問題です。全20問と少なめですが、第2章の双玉問題とは違って歯ごたえのある問題ばかりです。なんとまさかのいきなり1問目でつまづいたのでご紹介。

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それがこの問題。自玉は次に▽2八とでも▽2八角成でも詰みで、現状は受けなし。相手玉には詰みはないのですが、とりあえず王手を掛けるしかありませんね。

というわけで一目は▲6六角!

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以下▽同角成しかないわけですが、そこでどうやっても後手玉に詰めろすらかからず、であれば他に指す手が無いんじゃないかと思い詰めてしまいました、、

しかしながら解答を見てみたらなるほど、よく四間飛車穴熊を指す自分としてはたまに指す手筋でした、、

正解は▲5五角!

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▽1二玉でさっきと何が違うの?と一瞬思ってしまいますが、さらに▽1二玉に対してさらに▲3六歩!

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いやあ、なるほど!ですね。 こんな簡単な手で、先手玉に迫る手が無いとは、、

というわけでまだ全て解いてはいないんですが、じわじわと頑張っていきたいと思います。浦野さんの詰将棋のように、解きたくなる良形の問題が多いのでいいですね。ただいま一緒に頑張る人募集中!

あ、第3章の問題の答えは▲9三角!でした。当たったでしょうか?

 

推奨棋力:5級以上