入玉大作戦

入玉大作戦―逃げるが勝ち! (MYCOM将棋文庫)優勢なのに寄せがない。

四面楚歌で勝ち目がない。

そんなときには入玉だ!

というフレーズのこの棋書ですが、本気なのかギャグなのか、ギリギリかつ語呂が良いのがいいですね。大好きです。

この棋書では、プロの実戦における入玉の将棋を、1見開きに1つずつ紹介しています。よって、非常にスッキリとしていて読みやすく、読み物としてもそれなりに読めます。

が、解説が少ないと感じることも多く、「こう指されたらどうするんだろう」と、モヤモヤしてしょうがないです。といっても入玉将棋を一人で検討するのは、けっこう難しくてよくわからないので、まぁこんなもんか、と形で納得しながら読むしかないですね。

良くも悪くも「入玉の将棋をたくさん観ることができる」という棋書です。そういう意味では、入玉初心者向きの内容なのかもしれません。

それでは、章ごとに内容をサブタイトルで見ていきましょう。

 

第1章・入玉って楽しい-間違いのない勝ち方-

寄せが見えない→入玉
駒損しても大駒を取れ
広いスペースに逃げろ
むやみに駒を渡すな
取られていい駒悪い駒
合駒に歩を残せ
合駒ダメなら逃げろ!

 

第2章・入玉ならできる!-優勢から勝勢へ-

入玉は最善策
「入玉は攻め」なり
王様のさばき方
上部開拓と大駒保全
玉は自分の方の金に寄れ
入玉は敵の手に乗って
破った飛車先に逃げろ

 

第3章・入玉なら負けない!-必敗から持将棋へ-

入玉という名の「囲い」
苦しいときの入玉頼み
入玉なら大差も小差
攻めより入玉
2段目より3段目へ
手のないときは端から入玉
駒損しても道をひらけ
一枚捨てては一歩前進
相手の駒の陰に隠れよ
金も1点、歩も1点

 

4章では、戦型別に入玉を紹介していて、5章では最近の入玉についてです。

それにしても、よくもまぁこれだけ名言を作ったものだなと感心いたします。個人的には「一枚捨てては一歩前進」が好きです。続編出ないかなあ。

 

推奨棋力:5級以上。