カテゴリー別アーカイブ: 棋書 [読み物系]

将棋「次の一手」読本

将棋「次の一手」読本 (別冊宝島 (1191))忙しくて将棋から遠ざかっていた頃に、ぼくを将棋に引き戻してくれた本がありました。それが本書、将棋「次の一手」読本です。

タイトルだけだと、てっきり次の一手の本かと思いましたが、内容はトップ棋士のインタビューを中心とした、雑誌風読み物でした。

将棋の読み物大好き人間として、ちょっと立ち読みしてすぐに購入を決意しましたが、値段を見てビックリ。

将棋雑誌風としては破格の1155円(税込)ですよ!たかっ!と言いつつ、まぁ買ったわけなんですけどね。

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月下の棋士 (2)

月下の棋士 (2) (小学館文庫)将棋漫画の金字塔「月下の棋士」をムサ苦しく語る第2弾です。今回紹介する第2巻こそが本作品で最も面白い巻と言えるでしょう。なんと言っても、全登場人物の中で最もアツい男「鈴本永吉」がメインとなるからです。

鈴本永吉、、彼は年齢制限ギリギリの三段(当時の規定なので30歳)。
プロ棋士には定年はない、、しかし!プロ棋士になるまで、、四段に昇段するまで、、「定年」があるのである!!
「30歳と364日をもって四段に昇段できぬ者は、退会とす。」

というわけで鈴本にとってラストチャンスの三段リーグ。昇段候補は、鈴本に加えてもちろん主人公と、さらに郷田九段をモデルにした登場人物「幸田」の3人。

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月下の棋士

月下の棋士(1) (ビッグコミックス)今の将棋界に決定的に足りないもの、それは死と血であると言えます。死を覚悟して血を流しながら対局するのが、将棋の真の姿なのです。

そんな将棋の基本を思い出させてくれるのがこの漫画「月下の棋士」です。今となっては古い漫画となってしまいましたが、絵は今見ても古さを感じませんし、将棋を知らなくても面白い内容です。

文庫版で再版されて全20巻。非常に長いストーリーで、中盤がマンネリ気味なのが欠点ですが、序盤の奨励会入りからプロ入りするあたりと、終盤のA級での戦いは濃ゆさ満点です。

主人公は坂田流向かい飛車で有名な坂田三吉がモデルの人の孫という設定で、この漫画がドラマ化された時はV6の森田君が演じてました。

一見、主人公が濃ゆいのかと思いきや、そうではありません。むしろ主人公は薄いキャラで、彼を取り巻く人物達と対戦相手達が、濃ゆさ満点で迫り来るのです。

この、「主人公が一見ややウザくて読む気しない」と思われがちなのが残念なトコロで、実際は主人公なんてどうでもいい漫画です。

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自然流会心の一局

自然流会心の一局―最新自戦譜を徹底解説!! (PERFECT SERIES)ちょっと古い本ですが、中原永世十段著の自戦記集です。収録されている自戦記は全8本と少ないのですが、その分充実した解説。自然流と称される中原さん独特の将棋を堪能できます。

特に中原さんが独自で開発した戦型が中心となっていて、他ではなかなか見ることのできない自戦記揃いです。

具体的な内容は下記になります。

1:対四間飛車での独特な6筋位取りを2本。
(実際は6筋の位取りに対して、四間飛車側が反発する将棋)

2:中原流相掛かりを2本。
(相掛かりで3筋の歩を突き捨ててから銀を繰り出す、一時流行した形)

3:横歩取り▽8四飛戦法(中原囲い)を1本。
(いまだに流行し続ける横歩取り後手番の中心的存在となる囲い。凄いですね。)

そして、矢倉・ひねり飛車・横歩取りを各1本ずつです。では内容を見ていきたいと思います。

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しおんの王 1 (1)

しおんの王(1) (アフタヌーンKC)4歳の頃、目の前で両親を惨殺され、そのショックで言葉が話せなくなってしまった少女が7年後、女流棋士となって・・・という感じのストーリーの将棋マンガです。

血生臭くて重いストーリーと、スッキリした絵があまり合ってないんですが、気になるストーリー展開でけっこう面白いです。もう少し画力があれば相当いいんですけど、まぁ将棋マンガとしてはそこそこ面白いんじゃないかな。

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田村流けんか殺法

田村流けんか殺法 (新プロの将棋シリーズ)ぼくが読んだことのある棋書の中で、最も「可もなく不可もなく」という感じの本でした。

タイトルからして投げやりな棋書ですが、もちろん内容も投げやり気味です。
一応、自戦記集になるのかな?

でも決して面白くないわけではないんですよね。読み物としてはそれなりに読めるんですが、内容がなんとも表現しがたい・・。

基本的な内容は、田村五段の実戦より乱打戦の棋譜を抜粋し、その解説でしょうか。自戦記ごとにタイトルが付いているので、それを抜粋してご紹介。これを見れば、だいたいの予想がつくと思います。

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泥沼流振り飛車破り

泥沼流振り飛車破り―さわやか自戦記書きおろしぼくが最も愛する棋士「米長永世棋聖」著の、居飛車対振り飛車の対抗形に絞った自戦記集です。

ぼくは自戦記を読むのが大好きなので、けっこう色々な自戦記集を読みましたが、この棋書が断トツで面白いです。

この本のサブタイトルは「さわやか自戦記書き下ろし」となってるんですが、ここがすでに伏線になってます。

米長先生が若い頃は、泥沼流だとかさわやか流だとか言われてたのでこういうタイトルになったんでしょうけど、この本の内容はさわやかとは全くの正反対なんですよね。

一言で言えばもうドロドロの内容です。

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