カテゴリー別アーカイブ: 棋書 [相居飛車]

相振り飛車で左玉戦法 居飛車で右玉戦法

相振り飛車で左玉戦法 居飛車で右玉戦法 (将棋最強ブックス)相振り飛車での左玉戦法と、相居飛車での右玉、さらには対振り飛車での右玉の棋書になります。右玉・左玉系は棋書が限りなく少なく、その割にはたまに出会う戦法である為、指さない人であっても対策知識として知っておきたいですね。

惜しむらくは、これが創元社の将棋最強ブックスシリーズであるということ。このシリーズは、アマ中級者向けに戦法を紹介する程度の内容であることが多いので、マニア的には満足できない内容の棋書が多いです。

その反面、この棋書のようにたまに貴重な内容であることもあるので、買うかどうかの判断が難しいシリーズでもあります。

本書もやはり定跡書としては網羅している変化が少なく内容的には不十分でしたが、左玉的にはおそらく史上2冊目の棋書であること、右玉の棋書はたまに出版されるものの、5年に1冊出ればいいかなというレベルであること、さらに対振り右玉としては初の棋書になることを踏まえると、希少価値という意味で買って悔い無しというところでしょうか。

それでは内容を見ていきたいと思います。

続きを読む

三浦の矢倉研究 脇システム編

三浦の矢倉研究 脇システム編 (マイナビ将棋BOOKS)三浦九段の久々の一冊は、待望の矢倉「脇システム」の定跡書。自分は10年くらい前によく脇システムを指していたので、その頃読みたかったなあという棋書ですね。

脇システムの長所は、まず相矢倉で後手が急戦を目指さないのであれば確実に脇システムの形に持って行けること。そして分かりやすい駒組みからの破壊力のある攻撃力。この2つが魅力です。

当時は実力互角くらいの相手に、脇システムを使えばほぼ負け無しだった気がします。では何故指すのをやめたのかというと、相矢倉の後手からの急戦が嫌だったから。こればっかりは避けることが出来ないので、しょうがないですね。

本書では、そんな人のために序盤から解説が盛り込んであり、後手からの▽5三銀右急戦や右四間に関しても解説があります。特に▽5三銀右急戦に関しては、最近のタイトル戦でも登場している最新形についても解説があります。

そしてラストには、電王戦で登場したGPS新手についても書かれています。ここが一番気になりますね。というわけで内容を見ていきたいと思います。

続きを読む

横歩取り超急戦のすべて

横歩取り超急戦のすべて飯島七段渾身の最新刊は、将棋世界で連載中の「横歩取り裏定跡の研究」を書籍化したもの。とにかく横歩取りのありとあらゆる裏の変化を追求しており、ロマンあふれる内容です。

自分も10年くらい前に色々こういう横歩取りの裏定跡の研究にハマりまして、日夜研究していたのを思い出します。

続編も出るようで、シリーズ第1巻となる本書では横歩取りの基本図(下図)より、①▽8八角成▲同銀▽3三角とする▽3三角戦法、②▽8八角成▲同銀▽3八歩▲同銀▽4四角とする▽4四角戦法、③▽8八角成▲同銀▽2八歩▲同銀▽4五角とする▽4五角戦法、以上3つの戦法に焦点を絞っています。

yokofudorityoukyuusen01

続編ではさらに④ここから▽4一玉とする▽4一玉戦法、⑤相横歩取り、へと続く模様です。④の▽4一玉は佐藤九段が指しているのを見たことがあるような気がしますね。それでは本書の内容を見ていきたいと思います。

続きを読む

穴熊の戦い方

全戦型対応 穴熊の戦い方 (マイナビ将棋BOOKS)前回紹介した「よくわかる振り飛車穴熊」の続編かな?と一瞬思うタイトルですが、なんと全戦型対応というサブタイトルの通り、振り飛車穴熊から居飛車穴熊相振り穴熊になんと相居飛車の穴熊の全4種類を全4章にわたって解説している、カズサトさん渾身の穴熊本でした。

そして前書きに、5級くらいの人でも分かる内容から四段以上向けの難易度まで、分かりやすくレベルの目安が表記してある、と書かれています。

しかしながら、簡単な内容に始まりはするものの、難易度がかなり高くなっていくので、結果的に全体の難易度高いですね。

 

ただし内容はかなり面白く、まず戦型の概要と歴史の解説から始まり(ここは難易度低いです)、序盤の駒組みの注意点や端歩の関係などの解説もありながら、中盤の好形や仕掛け方などの解説、そしてさらに終盤のZを活かした戦い方の解説に突入。

これがなぜかカズサトさんの実戦でカズサトさん本人が正解手順を逃した難解な終盤戦の解説(かなり難易度高いです)となっており、それぞれがページ数の制限があるわりに内容がぎっしり詰まっていて充実の内容です。

続きを読む

これからの角換わり腰掛け銀

これからの角換わり腰掛け銀 (マイナビ将棋BOOKS)吉田五段の初の棋書は、ぼくが最も苦手とする戦型「角換わり腰掛け銀」でした。唯一、先後同型だけは勉強してあるんですが、それが富岡流に撲滅されてしまった今では、プロの将棋を見ていてもよく分からずの日々でした。

そんなぼくの為に書いてくれたのではないかという、富岡流の解説から始まり、それに対抗する為に後手が編み出した新しい指し方をひとつずつ丁寧に解説してくれています。

最後は特殊な指し方まで紹介してくれるという至れり尽くせりの内容でした。ありがとう吉田五段!というわけで各章ごとに見ていきましょう。

続きを読む

相掛かり無敵定跡研究

相掛かり無敵定跡研究 (マイナビ将棋BOOKS)もうタイトルからしてなんだか強そうな感じの本書。相掛かりのスペシャリスト野月七段と山崎八段の共著です。

相掛かりという戦型は、タイトル戦で登場する戦法でありながら、最もマニアックであると思われます。なんと言っても、お互いに初手飛車先の歩を突かない限り成立しないですからね。まあ横歩取り模様からの相掛かりみたいな指し方はありますけど。

というわけで相掛かりは全く研究していなくても、棋力にはほとんど関係無いと言ってもいいくらいですが、やっぱりなんだか相掛かりって魅力ありますよね。自分も昔はひねり飛車とか大好きでよく指していましたし、最もマニアックであると同時に、最も男らしい戦法って言うんでしょうか。接近戦で殴り合うようなイメージがありますね。

というところで内容のご紹介。

続きを読む