相振り飛車での左玉戦法と、相居飛車での右玉、さらには対振り飛車での右玉の棋書になります。右玉・左玉系は棋書が限りなく少なく、その割にはたまに出会う戦法である為、指さない人であっても対策知識として知っておきたいですね。
惜しむらくは、これが創元社の将棋最強ブックスシリーズであるということ。このシリーズは、アマ中級者向けに戦法を紹介する程度の内容であることが多いので、マニア的には満足できない内容の棋書が多いです。
その反面、この棋書のようにたまに貴重な内容であることもあるので、買うかどうかの判断が難しいシリーズでもあります。
本書もやはり定跡書としては網羅している変化が少なく内容的には不十分でしたが、左玉的にはおそらく史上2冊目の棋書であること、右玉の棋書はたまに出版されるものの、5年に1冊出ればいいかなというレベルであること、さらに対振り右玉としては初の棋書になることを踏まえると、希少価値という意味で買って悔い無しというところでしょうか。
それでは内容を見ていきたいと思います。