振り飛車ワールド’04〈第2巻〉

振り飛車ワールド’04〈第2巻〉徐々に明らかにされていく、我が家のトイレに置いてある棋書シリーズ第3弾「振り飛車ワールド」です。

この「振り飛車ワールド」シリーズは2ヶ月に1巻ずつ刊行され、全部で10巻ほど発売されましたが、現在は休止のような感じになってます。

見た目は普通の棋書なのですが、内容は雑誌のような感じで作られていて、棋士のロングインタビューや指定局面戦、いくつかの講座やエッセーなどから構成されてます。

 

雑誌として読む分にはそこそこ面白いんですが、棋書としてはややインパクトに欠け、雑誌と思うと値段が高いので購入意欲がなかなか湧いてこない、そんな微妙なシリーズでした。

というわけでいつも立ち読みで済ませてたんですけど、この1冊だけ購入を決意しました。決意したポイントは以下の2点です。

 

ポイント1:指定局面戦が「後手藤井システムに対する右銀急戦」

丁度この棋書が発売された頃、個人的に気になっていた形だったので、ほぼこれが決定打です。
内容もかなり良く、最新の見解がわかったので良かったです。この局面に関する棋書も少ないので、一読の価値アリでしょう。

また、千葉五段の講座では「後手番右銀急戦の攻防」で、こちらも勉強になりました。

 

ポイント2:コーヤンのロングインタビュー

コーヤン(三間飛車党の中田功六段)のファンとして、ここは押さえて置きたいトコロ。

「左金が▲6七金と上がるような体力がない。(中略)
四間飛車をやるには体力が要りますから。
それと左銀を5七に持ってくるのが好きなんですよ。
もちろん硬いからです。
四間飛車だと飛車が邪魔になって銀を5七に持ってこれないでしょ。」

こんな感じの、コーヤン独特のトークが面白いです。軽くて切れかけの攻めで仕掛け、だめならいいや的な感じが大好きです。

 

で、なんでトイレ用なのかというと、あまり読む気になれない講座やエッセーがチラホラあるんですよね。

せっかく買ったから読み尽くさないとな、って思うんですけど、人間ってのは一度読まなくなるとそう簡単には読めないですね。

たまにこの棋書を手に取っても、コーヤンのインタビューを再読したりしますしね。こうして、おそらく一生我が家のトイレで埋もれていくことでしょう。

なんだかんだでこのシリーズはそこそこ面白いので、ぜひまた復活して欲しいです。出来れば値段を950円とかにしてくれれば、ぼくは絶対に全部買うんでどうかよろしく。

 

推奨棋力:3級以上。読み物としては棋力は問いませんが、内容自体は高度なものが多いです。